この動画では、Léon Fodzoというアフリカの精神科の医者が、アフリカにおけるうつ病についての自分の著作について語っている。ちょっとくせがあるかもしれないが、比較的わかりやすいフランス語だ。

私は、自分も若いころ進路に悩んで心理カウンセラーに相談していたことがあるし、家族も精神科にかかったりしていたので、精神科については、抵抗はなく、むしろ馴染みがある。



Q なぜうつ病についての本を書いたのか?
A 私は長い間、うつ病患者と接してきたが、特に興味を持たないで来た。ただ、その間、うつ病患者は自分は病気ではないと考え、医者に診断を受けることが少ないことに気付いた。また、親は、子供の状態が非常にわるくなるまで(自殺未遂や引きこもりなど)子供を医者に連れてこなかった。その後、途中から、うつ病患者を研究する固い意志をもって16年間働いてきた結果がこの著作だ。

dépression nerveuse:うつ病
côtoyer:接する、そばにいる
patient dépressif:うつ病患者
sans m'y intéresser particulièrement :それに特に興味を持たずに
ils n'ont rien à faire avec la psychiatrie:彼らは、精神医学などに関係ない(と考えて)
désinsertion sociale:引きこもり

Q どの層の人々が一番うつ病にかかりやすいのか?
A 25歳から45歳の活動的な人々が一番うつ病にかかりやすい。老人のうつ病患者は比較的少ない。子供のトラブルは、大したことはないものとして見過ごされがちで、親は、非常に悪くなってからでないと医者に助けを求めてこないことが多い。

tranche:(人口などの)層
toucher:影響する
espérance de vie:寿命
banaliser:平凡化する、矮小化する ⇒つまり、大したことない、と考えてしまう
avoir recours à ~:~に訴える、~を手段として利用する

Q アフリカのうつ病に特徴的なことは?
A うつ病は世界の普遍的な病気だが、国や文化によってニュアンスの違いはある。アフリカでは、うつ病は被害妄想や身体的な訴えと言う形で表現されることが多い。ただ、どの文化においてもうつ病に共通な点はある。それは、精神活動が緩慢になることだ。身体的、精神活動の速度が遅くなり、外界への興味を失うようになってくる。

délire de persécution: 被害妄想
plainte somatique: 身体的な訴え
apport: 寄与、貢献
psychomoteur:精神運動的な
se cloîtrer:引きこもる

Q うつ病と診断された患者は、ちゃんと治療ができるのか?
A 治療を続けるには、患者本人がうつ病の診断を受け入れなければならない。西洋においては、芸術家や政治家などが、自分はうつ病であることを開示することがあり、うつ病を受け入れやすくなっている。ところが、アフリカでは必ずしもそうでない。教育や人材の不足が、うつ病の治療を遅らせている。

vulgarisation: 一般化
déficit:不足

Q うつ病の広がりはどのようにして説明されるのか?
A いくつか要因がある。まずは、人口の増加。特に若いが職がない人口の増加だ。また、急速な文化の変容やグローバリゼーションの中で、人々がアイデンティティーや安心感を失いやすい、ということもある。それと貧困だ。

milliard:10億
désoeuvré:職のない
induction:誘発すること、引き起こすこと


Depression Nerveuse une Maladie en Expansion
Depression Nerveuse une Maladie en ExpansionFodzo Leon

L'Harmattan 2014-05-13
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