今回はちょっと重い話だ。

西アフリカにモーリタニアという国があるが、この国ではいまだに奴隷制が続いているそうだ。

この動画を見て初めて知った。ちょっと衝撃的だった。

私は、奴隷制などというものは、とっくに世界からなくなっているものだと思っていた。




アフリカ人独特の発音のくせもあり、よ聞き取れない部分もあるが、おおよそ下記のようなことを言っているようだ。

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- モーリタニアにおける奴隷制の占める位置は?

モーリタニアの人口の約45%が奴隷制の犠牲者であり、大きな位置を占めています。

( il y a 45% à peu près de la population mauritanienne qui est victime de l'esclavage :文字に書くと意味は分かりやすいが "victime" の部分の発音が弱く、非常に聞き取りにくい。)

奴隷の所有者は、奴隷にお金を支払わないで働かせ、彼らを売ったり、貸したり、自分子供に相続させたりします。この制度は、イスラム教がここに来る前からあったものですが、紀元後1世紀にイスラム教がここに来ると、この制度を強化し、合法化しました。奴隷制は、現在も見られる制度であり、10人から20人、40人の奴隷を保有する家族もあるのです。

léguer
Ils les lèguent à leurs enfants. 彼らは、(奴隷を)子供らに相続させるのです。

- 奴隷制の犠牲者はどのような人たちですか?

奴隷制の犠牲者はハラティン(haratine)と呼ばれています。かれらは、アラブ人やベルベル人が捕えた黒人です。彼らは、セネガル、マリ、ブルキナファソなどで捕えられるのですが、一度、捕えられると、その子孫は自分がどの民族に属するかを忘れてしまい、自分の祖先がどの民族から来たのか、どこで捕えられたのかも、知らないのです。彼らは、ひとつの民族ではなく、アラブ人やベルベル人などのモール人に奴隷化された社会的グループです。

ethnie     民族
razzia 略奪
acculturer  新しい文化に適合させる
dérivé  (この場合は)派生言語
capturer  捕獲する
assujettir 服従させる
asservir 奴隷にする
Maur   モール人

- その中で、人種差別はどのような位置を占めているのですか?
(この質問は、よく聞き取れない Et du coup, la place du racisme dans tout ça existe-t-il? と言っているように聞こえるのだが、il existe の場合、「存在する」ものは、不特定であるはずだが、ここではla placeと特定になっているのでおかしい。)

ハラティンは、二重の意味で人種差別の犠牲者なのです。
まず、人種差別は肌の色の問題です。アラブ人やベルベル人は、黒人のみを奴隷にするのです。これは肌の色の問題です。
それと、彼らが奴隷であって、売られたり、交換されたりして、奴隷として扱われているのです。
(ここは言っていることが、ちょっとよくわからない)

- 奴隷制はモリータニアでは宗教的に正当化されているのですか?

はい、残念ながら。イスラム教は、奴隷の解放を含め、多くの変化をもたらしたのですが、コーランに奴隷制を正当化する節があるのです。奴隷制度を擁護する人々は、これを根拠に奴隷を手放す必要はないと主張するのです。

verset  (聖書などの)一節
affranchissement  (奴隷の)解放


- 奴隷制に対する政府の態度はどのようなものですか?

残念ながら、政府は奴隷制の存在を否定しています。なぜかというと、国の指導者階級はすべてモール人であり、奴隷を保有しているので、奴隷を解放したがらないからです。
奴隷制が存在しないというのはうそです。40人程度の家族がすべてひとつのモール人の家族の奴隷となっているケースもあるのです。また、人口調査でも、家畜と同じようなものとされて調査されないのです。モーリタニアが署名した奴隷禁止条約や国内の奴隷禁止法があっても、彼らは実際には奴隷制の廃止を実行しないのです。

nier (存在を)否定する
recensement  人口調査、国勢調査

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以前、クレオル語の成立の話を聞いたときを思い出す。
大航海時代以降、アフリカからハイチに連れてこられた黒人たちは、様々な場所から連れてこられたので、お互いの意思疎通に困り、自分たちのアフリカの言葉を捨てて、主人のしゃべるフランス語を使うようになった、ということ。

現代のモーリタニアでも、このように、自分が所属する民族から強制的に離されて、自分がどこの民族出身かもわからなくなってしまう事態が起きているのだ。

やれやれ、やりきれない話だ。

この動画について説明している記事
NegroNews


La Mauritanie : Entre l'esclavage et le racisme
La Mauritanie : Entre l'esclavage et le racismeMohamed Yahya Ould Ciré Georges-Elia Sarfati

L'Harmattan 2014-07-29
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